Works

SHIGARAKI ACT2012

滋賀 信楽
2012年 4月

窯の精霊

展示場所は、信楽の古い登り窯の一つの丸又窯の横にある小屋で、展示をしました。

この登り窯の歴史を見てきたこの小屋で、鉄錆と墨を使った絵画を展示し版画の方法を使い、熊やイノシシや古道具の形を紙や布に転写をして、油絵具で真ん中に白い線を描きました。

時代が進んでいくと共に、人々の生活は快適になり人間の数は増えましたが、同時に動物たちは住む場所や食べ物がなくなり、数は減りました。又、熊やイノシシは神様として祭られていましたが、森の力が無くなっていくのと同じにその信仰も廃れていきました。ペットになる動物や人間に食べられる動物だけが栄えていきますが、それでよいのでしょうか?私はそんなことを考えますが、どうすることも出来ずにいます。

古道具等は、人間の生活が楽になっていくと共に新しい道具が生み出されていますが、使われなくなった道具は、何処に行くのでしょうか?あるものは、大体のゴミとなり燃やされたり、溶かされたりと、資源になる物は再び人間に使われますが、それ以外の道具はどうなるのでしょうか?私は、いつか仕返しに来るんじゃないかと考えたりもします。神道では99年から100年経ったのち道具は、妖怪化をすると言われています。

私は、それらのモチーフの形を紙や布に転写することによって、昔の日本人が『写真を撮ると魂が抜かれる』と思われたように鉄錆と墨を使い、魂を吸い取るかのように画面の中に収め絵の中で生きらえて欲しいと願い制作をしました。

最後に白い絵具で、空間の切れ目のようなものを描き、そこから今を生きる私達を滅びていくもの達が観察するかのように描きました。